建築設計 11号 「かつて星々を線で結んだように」
建築設計 11号 「かつて星々を線で結んだように」

¥1,100

編集後記
「かつて星々を線で結んだように」


昨年、3才の息子が夜空に浮かぶ月に向かって「おやすみ」と声をかけたことがあった。僕はうれしくもあり懐かしい気分になったことを覚えている。彼は生物かどうかもわからない惑星でも、話そうと思えば寝る前のあいさつだって交わすことができるのだ。

2022年のFIFAワールドカップ中、人権問題に声を上げる選手たちの行動をFIFAが認めないというニュースが流れた。これは僕にとって大きなショックだった。日本が勝っても、心の底から喜べなかったのは僕だけではないはず。今日、そんな感情はどこにだってある。生産者が安価な労働を強いられる大量生産のチョコレートを食べるときだってそうだ。居心地の悪さを感じる。その背景には、僕たちの日常生活に多量で多様な情報がなだれこんでいることがある。情報が複雑に絡まることで、一つひとつの物事がさまざまな意味をもつようになったのだ。

そんなときに思い出す言葉がある。「情報が氾濫する時代において、究極のラグジュアリーとは意味と文脈だ」という『WIRED』US版の創刊時に出されたマニフェストだ。ここでの「意味と文脈」とは多くの人が共有するひとつのものではなく、みんな一人ひとりがそれぞれにもつものだと僕は理解している。居心地の悪さを払拭するには、各々の好奇心や関心が向かう先にある物事を丁寧に解きほぐし、そこに自分だけの意味と文脈を見つけ出す必要がある。それができれば、僕たちの好奇心はさらに広がっていくだろう。

本号に掲載したコンテンツは寄稿者たちがそれぞれに意味と文脈を見つけ出そうとした記録である。特に第4回日本建築設計学会賞の頁では審査員からの講評を受け止めた上で、受賞者たちから建築家としての視座を寄稿してもらった。これは賞を通して作品が評価されることやそこで起こる審査員との対話から彼らが意味と文脈を読みとったものと言えよう。その他の頁も先人たちや難民避難船、木造建築をそれぞれに咀嚼し、そこに意味を見た上で、未来へ向けてアウトプットしたものである。

ある物事からその隣の物事へと僕たちの好奇心は点と点を結びながら広がっていく。星が輝くだけだった夜空に、はじめて星座が描かれたときのようだ。ただの点と点が線で結ばれ、自分だけの意味と文脈をもった絵柄ができあがる。僕たちには好奇心さえあれば上にも下にも縦横無尽にその線を引くことができる。この地球や月が浮かぶ宇宙空間と同じく、線を引くことにおいて僕の息子に上下の区別などないくらいに。


岡本雄大



建築設計 11 目次


     2  Editor’s Note

     4  第4回日本建築設計学会賞
        [作品]
6、17、18   【大賞】「出窓の塔居」藤 貴彰+藤 悠子
8、17、22    「TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE」平瀬有人+平瀬祐子
10、17、24   「松原市民松原図書館」高野洋平+森田祥子
12、26、32  「湖月庵」芦澤竜一+陶器浩一
28、32、34  「House OS 3つ屋根の下」神谷勇机+石川翔一
30、32、36  「甲陽園の家」畑 友洋

    14    竹山 聖「驚きと喜びと、そして希望と」
    38   審査過程


    40   石井修 生誕100年記念展
    43   倉方俊輔「石井修論 – 安らかな住まいをめざして」
    47   木下光「石井修生誕100年記念展後記」


    49   中村勇大・追考
    50   座談会「開かれた京都人、中村勇大の建築」
      [作品]
    56    「明石の家」
    57   「ST-1 斜めテラスの家」
    58   「かむかふ」
    59   「此花の長床」
    60   「PF-6 PIST」
    61   「さやどう」

    62   小池志保子「建築家 中村勇大の一連の住宅作品」
    64   プロフィール、作品歴、受賞歴


    65   アジール・フロッタン復活展
        ─ル・コルビュジエと前川國男が残した浮かぶ建築─
    68   五十嵐太郎「アジール・フロッタンをめぐる国内外の巡回展」


    70   アジール・フロッタン物語展
    72   ル・コルビュジエの船再生委員会「次のステージ」


    75   Timber: Today and Tomorrow
        木造建築のいまとこれから


    81   連続インタビュー 関西の建築家たち03 前編
        足立裕司「毛綱毅曠を巡る関西・建築の四方山話」


    90   活動報告


    92   賛助会員情報

建築設計10 「未来の主語を私に」
建築設計10 「未来の主語を私に」

¥1,100

編集後記
「This is me.」
偶然バスで隣り合わせた西洋人らしい男性が、そう言った。一瞬なんのことかわからなかったが、停留所で降りるようなので、僕も一度席を立って彼を見送った。もう1年以上前のできごとだが、このときのことは、今でも強く記憶に残っている。なぜなら彼が口にした「This is me.」という表現が、「向かう先(つまり未来)=自分」であるかのように聞こえ、清々しくポジティブな気持ちになったからだ。

Web3、NFT、メタバース、SDGs、脱酸素、自動運転、スマートシティ。この数年、社会を前へ進めようとしているキーワードをいたるところで目にするものの、自分はどこかその流れの外にいるように感じていた。あなたはいかがだろうか。もしかすると、未来への流れに乗れず、疎外感を感じていたからこそ、「This is me.」から未来へとつながる光明のようなものを感じたのかもしれない。

今号に掲載している「100年後の建築につながる風景」や「2020年代の建築をとらえる言葉」では、はっきりと見えない遠い未来まで想像を飛ばすことで、垣間見えてきた風景や言葉を紹介している。また、「かたちが語るとき」や「ポストバブルの建築家展」での展示では、肯定的に語ることが途耐えてしまったかように見えるバブル期以降の建築のかたちに着目することで、もう一度かたちをいきいきと語る未来を提示したように思える。

どれも刺激的な内容にまで練り上げられたのだが、それぞれのコンテンツに共通しているのは、今の自分たちの足元に目を凝らすことで、そこから未来へとつながる道筋をとらえていることである。この道は自分と未来をつなぐ希望だ。僕があの日の「This is me.」から感じた希望を、あなたにもこの号から感じてほしい。

岡本雄大


建築設計10 目次


2 Editor's Note

3 100年後の建築につながる風景
−日本建築設計学会理事それぞれの足元から−
4 隈 研吾 34 五十嵐太郎 66 小見山陽介
5 石原健也 35 萬田 隆 67 長坂 大
6 乾 久美子 36 河井敏明 68 篠原聡子
7 畑 友洋 37 曽我部昌史 69 千葉 学
8 竹山 聖 38 岡河 貢 70 遠藤秀平
9 西沢立衛 39 林 陽一郎 71 光嶋裕介
10 芦澤竜一 40 上野 武 72 堀口 徹
11 末廣香織 73 竹口健太郎
12 松本 明 74 團 紀彦
13 亀井暁子 75 島田 陽
14 木下 光 76 末包伸吾
15 宮本佳明 77 トーマス・ダニエル
16 前田茂樹 78 宇野 求
79 手塚貴晴
80 国広ジョージ

17 2020年代の建築をとらえる言葉_1
18 見取り図
41 2020年代の建築をとらえる言葉_2
44 座談会 | 小見山陽介、岩元真明、川島範久、能作文徳

46 アジール・フロッタン復活プロジェクトから生まれたフランスと日本の展覧会 | 遠藤秀平
47 [速報] アジール・フロッタン復活展

48 かたちが語るとき −ポストバブルの日本建築家 1995–2020−
50 沈まない日本建築 | クリスチアン・ジラール
52 無言の声 | トーマス・ダニエル
56 「かたち」をめぐるディスカッション | 竹山 聖

58 ポストバブルの建築家展 −かたちが語るとき−
60 展示デザインについて | 竹口健太郎
62 建築と絵画芸術の往来による「かたち」への飽くなき探求 | 光嶋裕介
63 かたちの声に耳を澄ます | 島田 陽
64 35組の「かたちとは何か」

81 速報 2021年度第4回日本建築設計学会賞
82 活動報告
84 賛助会員情報

建築設計09 「世界の基盤を揺り動かす勇気」
建築設計09 「世界の基盤を揺り動かす勇気」

¥1,100

「なにかがおかしい」。これは今の働き方、民族、ジェンダー、政治、はたまた地球環境など自分たちの身の回りの状況に対して、誰もがもっている感覚ではないだろうか。この原因は、普段は見えない深いところで世の中をで支えている基盤にある。いろいろなものを乗せた基盤のバランスが崩れてきているから、多方から不協和音が響く。これは今の時代を生きる私たちが抱える大きな課題だ。たくさんのものを乗せているがゆえに、この基盤を揺り動かし、新しい重心位置を探り、バランスを整えることには勇気がいる。
建築分野も状況は同じ。建築家という職能の枠組み、設計のよりどころ、形を評価する土壌、資産を次の時代に渡す文化などたくさんのものが、ほとんど溶けてなくなってしまっている。第3回日本建築設計学会賞受賞者、アジール・フロッタン復活に尽力する遠藤秀平氏、フランスで開催中の「かたちが語るとき」展をキュレーションした五十嵐太郎氏、空間構成を担当した前田茂樹氏、「Architects of the Year 2020 After COVID-19 version」展出展者など、今号に寄稿いただいた方々も同じように今の建築の世界を捉えているようだ。バランスを崩してしまっていると感じているからこそ、基盤を揺り動かす、挑戦的な新しいアウトプットが生み出される。今号で紹介するコンテンツは、すべてそんな取り組みだ。考えてみれば、数百年前にも同じようなことがあった。中世から近代への移行期である。大きな基盤システムの移行期に次の時代をつくる建築や文化が生まれたのだ。
次の時代につながるアイデアは、きっとあなたの中でも生まれている。あとは勇気をもって基盤を揺り動かすだけだ。100年後、時代の転換点はあの時だったと言われる今にしたい。

岡本雄大

建築設計08 「建築家の眼差しは時代に翻弄されるのか」
建築設計08 「建築家の眼差しは時代に翻弄されるのか」

¥1,100

日本建築設計学会が復活に向けて注力している難民収容船アジール・フロッタンなどの建築に対するル・コルビュジエの眼差しや思考の跡、周囲の人とのつながりなどが見えたル・コルビュジエの船再生委員9人の視察。戦中から戦後、高度経済成長期、バブル崩壊以降など激動の時代を生き、建築設計や研究に奮闘した上田篤へのロングインタビュー。「自分に正直な建築」というコミッショナー宮本佳明からの問いに次世代を担う若手建築家が応えたArchitects of the Year 2019。ル・コルビュジエ、上田篤、Architects of the Year 2019受賞者はそれぞれ異なる時代に建築設計を担った(担っている)建築家だが、各時代に産業革命や戦争、バブル経済崩壊、現在猛威を振るう新型コロナウイルスによるパンデミックなど、社会を揺るがす大きな事象が起きている。彼らを見ていると、建築家は新たな価値観が生まれるような、うねりを持った潮流の中で、地に足を着け、変わりつづける時代を捉えながら建築を設計してきたと言えるだろう。一方で建築家としての眼差しは揺れ動く時代の中でいかに未来へ向けられていた(いる)のだろうか。新たな時代を担う建築家は、前の時代を担った建築家が見据えた眼差しの上に立つのだろうか。目に見えて時代がうねりを打っているように感じる今だからこそ「建築家の眼差しは時代に翻弄されるのか」という補助線をもって本書を読み、より大きな流れの中で建築を設計することを問い、再構築してほしい。
岡本雄大

目次

「Architects of the Year 2019」入選展
テーマ「自分に正直な建築」
[総評・講評]
宮本佳明(コミッショナー)
[作品]
佐々木翔
山田寛
髙木貴間
中村篤史+福山弘
藤野高志
板坂留五
能作文徳+常山未央
三木万裕子+佐藤圭
細海拓也
田中亮平
[インタビュー]
金森秀治郎(「日本橋の家」オーナー)

アジール・フロッタン復活プロジェクト
9人の委員が現地を歩いて触れて感じた9 つのコルビュジェ
[視察レポート]
遠藤秀平
藤脇慎吾
トーマス・ダニエル
光嶋裕介
前田茂樹
辰巳明久
竹口健太郎
宮本佳明
竹山聖

連続インタビュー 関西の建築家たち02
上田篤「昭和馬鹿」
作品紹介(「火の橋」、「橋の博物館」、「探検の殿堂」)

建築家の目を肥やす本
紹介者
「Architects of the Year 2019」受賞者
遠藤秀平氏(ル・コルビュジエの船再生委員会委員長)
林陽一郎(連続インタビューコーディネーター)

活動記録

賛助会員情報

―――――――――――――――――――――
編集長 倉方俊輔
編集委員 藤井章弘
編集協力 岡本雄大
デザイン 岡本雄大、木村幸央
ロゴタイプ André Baldinger | Baldinger • Vu-Huu
表紙写真 岡本雄大
発行者 一般社団法人日本建築設計学会
発行日 2020.05.01
印刷 株式会社国際印刷出版研究所
定価 1,100円(本体1,000円)

建築設計07 「日本建築設計学会賞2018 作品集」
建築設計07 「日本建築設計学会賞2018 作品集」

¥1,100

2018年に授賞された日本建築設計学会賞の作品集。写真は大竹央祐による撮り下ろし、選考委員評もあらたに書き下ろされた充実の内容。大賞を決める公開審査会の模様は、設計者によるテキストや展示紹介をまじえて掲載。
建築家・川崎清の最後のインタビューや、竹山聖と倉方俊輔による追悼対談も収録。
114p (24p in color)

目次ーー

特集|日本建築設計学会賞2018 作品集

作品集|
「Good Job! Center KASHIBA/STUDIO」
「フクマスベース/福増幼稚園新館」
「東京クラシッククラブ 森のクラブハウス・馬主クラブ棟」
「Topological Folding House」
「houseA/shopB」
「舞多聞の家」
(批評:竹山聖、古谷誠章、五十嵐太郎、倉方俊輔)

討論|
作品展・公開審査会記録
竹山聖、古谷誠章、五十嵐太郎、倉方俊輔

論考|
山口 隆
畑 友洋
古谷 俊一
木村 吉成+松本 尚子
大西 麻貴+百田 有希+榮家 志保
吉村 靖孝

連続インタビュー|関西の建築家たち01
川崎 清

川崎清追悼対談「君は川崎清を知っているか?」
竹山 聖+倉方 俊輔

建築設計06 「越境プロジェクトを求めて」
建築設計06 「越境プロジェクトを求めて」

SOLD OUT

¥1,100

2017年10月-11月に開催されたArchitects of the Year 2017「越境プロジェクト」展の模様を、新たな資料・レビューとともに誌上展覧会として掲載。会期に行われた3回のディスカッションの全容、会期後に行われた10組の出展者へのQ&Aなど、展示をこえた充実の内容です。03号以来の連載鼎談は、文化人類学者の植島啓司さんが登場。こちらも越境し続ける思考の広がりを感じられる言葉が詰まっています。

建築設計06 目次

特集|越境プロジェクトを求めて

Architects of the Year 2017「越境プロジェクト」

遠藤秀平「頼まれてもいない物語をつむぐ」

作品紹介|
ー山之内淡「評価経済時代におけるゲニウス・ロキ」
ー勝亦優祐+丸山裕貴+佐竹雄太「西日暮里のシェアハウス Multi feat.KMA」
ーいとうともひさ「IBONAKA DOCUMENTATION」
ー三本木歓「千年の越境」
ー伊藤聡宏「麻太の家と誰でもできる建築教室」
ー橋本圭央+白石圭+康未来「デ/リタッチ:不協和音の庭」
ー鈴木亜生「鹿児島の住宅」
ー森藤文華「茶積庵」
ー中島亮二+桂川大「農小屋 alternative greenhouse」
ー野口理沙子+一瀬健人「"見方"を建築する」

トークセッション+Q&A|
ー森藤文華 × 中島亮二+桂川大 × いとうともひさ「クライアント・エンパワーメントの時代へ」
ー山之内淡 × 伊藤聡宏「集まれる場所から建築設計をひろげる」
ー橋本圭央+白石圭+康未来 × 勝亦優祐+丸山裕貴+佐竹雄太 × 鈴木亜生 × 野口理沙子+一瀬健人「作品からプロジェクトへ、プロジェクトから作品へ」

レビュー|竹口健太郎「『Architects of the Year』はじめの3年間の試み」

連載鼎談|ひらかれた建築のための言葉04
植島啓司+竹山聖+遠藤秀平

レポート|
アジール・フロッタン再生展
Commnication Beyond Words

―――――――
論考 建築設計02
山口隆


――
建築設計 06

編集長 倉方 俊輔
編集委員 西尾 圭悟、柳原 逸聖
編集協力 嶋田 翔伍
論文編集委員 末包 伸吾
デザイン タナカ タツヤ
ロゴタイプ André Baldinger|Baldinger • Vu-Huu
表紙写真   大竹 央祐
発行者   一般社団法人日本建築設計学会
発行日   2018年3月23日(金)
印刷   株式会社国際印刷出版研究所

建築設計05 「日本建築設計学会賞2016 作品集」
建築設計05 「日本建築設計学会賞2016 作品集」

¥1,100

2016年に第1回が授賞された日本建築設計学会賞の特集号。設計者と選考委員による12本の論考に加え、新たに撮り下ろされた写真を中心に、受賞作品に新たな視点を与える作品集です。2016年4月5日に開催され、大賞作品が決定された公開審査会のディスカッションをノーカットで収録。

「石切の住居」
島田 陽「『これまで』と『これから』のあいだで」
五十嵐 太郎「ありえたかもしれないポストモダン」

「四条木製ビル / 第15長谷ビル」
河井 敏明「木製ビル/木製都市/木の文化」
古谷 誠章「都市景観を創造することは可能か」

「裏庭の家」
松岡 聡+田村 裕希「好きになること」
倉方 俊輔「図面化された近代の設計」

「カトリック鈴鹿教会」
竹口 健太郎+山本 麻子「窓辺空間の拡張」
五十嵐 太郎「日本の新しい現実とキリスト教の教会」

「西原の壁」
桑原 賢典「強い〈建築〉による弱い領域」
竹山 聖「壁をめぐって」

「日本キリスト教団 東戸塚教会」
平田 晃久「光の〈からまりしろ〉」
倉方 俊輔「会意形成の佳品」

作品展・公開審査会記録と審査経過

――
編集長 倉方 俊輔
編集委員 西尾 圭悟
編集協力 嶋田 翔伍
デザイン タナカ タツヤ
ロゴタイプ André Baldinger|Baldinger • Vu-Huu
表紙及び特集写真  大竹 央祐
写真提供 市川 靖史 (P.6-9)、新建築社写真部 (P.10-13)
発行者   一般社団法人日本建築設計学会
発行日   2017年7月31日(月)
印刷   株式会社大伸社 ライブアートブックス
定価 1,100円(本体1,000円)

建築設計 04 「国際する地域と建築」
建築設計 04 「国際する地域と建築」

¥1,100

巻頭には、急速に発展するアジア11か国の建築学生が福井県鯖江市に集い行った国際ワークショップの模様を収録。19人の参加学生のアンケートとともに、建築の「学び」の最新形を紹介します。
また2010年からはじまった、海外留学中に行ったプロジェクト展「Japanese Junction」関連企画では、ディレクターである平野利樹と今村創平が対談します。各国に留学したこれまでの参加者へのアンケートを同時収録し、世界の建築教育の状況を探ります。
特集の中心となる寄稿集では、世界で成長する5人の取り組みを紹介します。ベルリン、コペンハーゲン、マーストリヒト、バルセロナ、パリ、バングラデシュ、ロンドン、そしてヴェネチアなどにおける、旅や留学、現地事務所勤務、プロジェクトなどを通した「学び」の実践を、5人(+1人)の寄稿を通して考察します。
巻末には、昨年開催された「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2016」にまつわる小特集を、参加者の寄稿を中心として掲載、他誌とは違った角度から振り返ります。

ーあらためて着目する国と国の「際」(きわ)。国を超えて学び、世界で成長する若い世代のうごめきをドキュメントする特集号です。


特集|国際する地域と建築

ドキュメント|アジア建築学生サマーワークショップin大阪&鯖江
ー竹村優里佳「ひらかれた場をつくる」
ー堀口徹「グローバルで親密な建築(の実践)をめざして」

寄稿|国際する地域と建築
ー光嶋裕介「思考の終わりなき旅」
ー森田一弥「旅~左官職人~スペイン~静原 私の建築遍歴」
ー梅原悟「ヨーロッパ時間で経験する建築」
ー前田茂樹「西洋とアジアを往還し、建築設計と教員を行き来する」
ー石井孝幸「揺れ動く枠組みをとらえ、考えながら進んでみる」

対談|Japanese Junction
ー今川創平+平野利樹「分断線の先」
ー安藤祐介、王卉、加々美理沙、佐脇礼二郎、笹田侑志、篠元貴之、村部塁、谷井千晶、堤大樹「アンケート+作品紹介」

小特集|VENEZIA2016
ー五十嵐太郎「ヴェネチアからの報告」
ー鈴木亜生「モノの連関と協働ーヴェネチア・ビエンナーレをめぐる考察」
ー西尾圭悟「断片的な時間と空間が集まる」
ー浜辺里美「本物のヴェネチアを探して」

ーーーーー
編集長 倉方俊輔
編集委員 堀口徹、平野利樹、西尾圭悟、竹村優里佳
編集協力 山田清楓、田原迫はるか
デザイン タナカタツヤ
ロゴタイプ André Baldinger | Baldinger • Vu-Huu
表紙写真 大竹央祐
発行者 一般社団法人日本建築設計学会
発行日 2017.01.31
印刷 株式会社大伸社 ライブアートブックス
定価 1,100円(本体1,000円)

建築設計 03 「建築の明日をひらく最若手の言論」
建築設計 03 「建築の明日をひらく最若手の言論」

¥1,100

「建築の若い手、どうか姿を見せてください!」という呼びかけに、全国から124の応募が集まった。本号ではその中から選ばれた23組の論考を収録する。「最若手」の言論から見据える「建築の明日」とは?連載鼎談には、小説家・平野啓一郎氏が登場。原広司のインタビューも必見です!

特集|建築の明日をひらく最若手の言論
―伊藤智寿「思考する施工家の可能性」
―小島弘旭「肯定力を身につけるー意味が重ね着されていく、これからに向けてー」
―大坪良樹「岡本太郎と丹下健三って誰ですか?」
―太田裕通+北村拓也「THE DAWN OF BR○UTE」
―安田大顕「地球を設計する時代、地球で設計する時代、ハイパーアーキテクトの時代。」
―若林拓哉「親水都市:Hydrophili-City―超群島構想による東京ベイエリアの21世紀のヴィジョン―」
―友渕貴之「視点の設計―柔らかなまちの更新方法を探る―」
―上田一樹「ジャカルタと根津-アジアの下町結婚式」
―矢野拓洋「デンマークとゆとり教育と建築」
―貴志泰正「『建築設計』を『継ぐ』こと」
―庄野航平「アイヌの座標感覚/現代社会の経路・GPSに依存した空間感覚に対する眼差しと、建築が持つ可能性の拡張」
―種田元晴「建築の憂鬱 或は 病める装美」
―馬場隆介「サステイナブルな発芽戦略」
―大山宗之「建築の汎用性~つくる人をつくるという職能~」
―廣岡周平「ヤドカリプロジェクト」
―荒井正彦「空間の再構築」
―阿部雄介+今村雄紀+守礼寿多翔太+杉本渉+福島彰人「"地域の声"は上澄み」
―中村周「釡川の風景をはぐくむ」
―岸田一輝+安藤亮介『道楽がつくる「温かい仕事」』
―木上奈都子「建築を纏う」
―津川恵理「公式的な建築が生みだす、質のメタボリズム」
―一瀬健人+野口理沙子「2.5次元のケンチクを探して」
―冨永美保+伊藤孝仁「夥しい数の出来事から、建築の輪郭をさぐる」

鼎談「ひらかれた建築のための言葉03」
平野啓一郎+竹山聖+倉方俊輔

インタビュー
「ダークマター建築論に向けて」
原広司 聞き手:槻橋修

――――――――――――――――――――
「論考 建築設計」01
水谷晃啓、滝内雄二、清水優里

編集長 倉方俊輔
編集委員 槻橋修、西尾圭悟、橋本阿季
編集協力 川上真誠、林陽一郎
論文編集委員 末包伸吾
デザイン 後藤哲也 | OOO Projects
ロゴタイプ André Baldinger | Baldinger • Vu-Huu
表紙写真 大竹央祐
発行者 一般社団法人日本建築設計学会
発行日 2016.04.30
印刷 株式会社大伸社 ライブアートブックス
定価 1,100円(本体1,000円)

建築設計 02 「設計者選定を考える」
建築設計 02 「設計者選定を考える」

¥1,100

2016年11月に開催されたシンポジウム「設計者選定を考える」の全記録。29名の参加者は、建築家、建築史家、ランドスケープデザイナー、行政関係者など様々で、世代も混合している。それぞれの口から紡ぎだされた率直な言論は、「多様な意見」を超えて、これからの設計者選定のあり方を考えるヒントに満ちている。五十嵐太郎氏へのインタビューも同時収録する。
さらに、医者でありながら精力的にピアニストとしての活動を展開する、上杉春雄氏の講演と、その後日鼎談も必見の内容。
巻頭には2015年5月に開催されたArchitects of the Year 2015の記録を、若手4組へのインタビューと、会場で行われたディスカッションの模様を中心に収録する。

第一特集「Architects of the Year 2015」
ーインタビュー:大西麻貴+百田有希、畝森泰行、米澤隆、増田信吾+大坪克亘
ー展示作品紹介:芦澤竜一、藤本壮介、竹口健太郎+山本麻子、平田晃久
ートークディスカッション「これからの建築設計をめぐって」

第二特集|設計者選定を考える
ーインタビュー:五十嵐太郎「新国立競技場問題」
ー「一日目」
高橋賢二、徳岡浩二、松岡拓公雄、竹山聖、松田達、竹口健太郎、宗本晋作、光嶋裕介
ーディスカッション「枠組みの提示」
ー「二日目」
大氏正嗣、曽我部昌史、木下光、李暎一、末包伸吾、槻橋修、芦澤竜一、平沼孝啓、萬田隆、島田陽、前田茂樹、白須寛規、山口陽登
ーディスカッション「多様な意見」
ー「三日目」
北川啓介、倉方俊輔、福岡孝則、畑友洋、松本明、長坂大、忽那裕樹、武田史朗
ーディスカッション「拡大と整理」

連載鼎談「ひらかれた建築のための言葉」02
上杉春雄+竹山聖+遠藤秀平

講演録「見るかたち、聴くかたち」
上杉春雄(医師・ピアニスト)
ー1.見ること、聴くことと脳の働き
ー2.クラシック音楽の歴史 グレゴリウス聖歌からクセナキスまで

編集長 倉方俊輔
編集委員 林陽一郎、西尾圭悟、Kim Taebum
デザイン 小池一馬、後藤哲也 | OOO Projects
ロゴタイプ André Baldinger | Baldinger • Vu-Huu
表紙写真 大竹央祐
発行者 一般社団法人日本建築設計学会
発行日 2016.03.31
印刷 株式会社国際印刷出版研究所
定価 1,100円(本体1,000円)

建築設計 01 「いま建築を設計するとは、どういうことか?」
建築設計 01 「いま建築を設計するとは、どういうことか?」

¥1,100

「いま建築を設計するとは、どういうことか?」とは、『建築設計』創刊にあたり、倉方俊輔より、建築家や研究者ら31組に投げかけられた問いです。極めてシンプルな問いながら、そのシンプルさ故に、その答えには、寄稿者それぞれに固有なバックグラウンドや、まさに現在形で直面している諸問題、そして未来へのメッセージが込められています。その語り口も様々ながら、日本建築設計学会のこれからをも予感させる充実の内容です。

ー目次ー

巻頭鼎談「ひらかれた建築のための言葉」
波頭 亮(経営コンサルタント)+團 紀彦+竹山 聖

第一特集
「いま建築を設計するとはどういうことか?」
ー竹山聖「知的な組み立て、美的な組み立て」
ー李暎一「建築の原点を求めてーーアジアとの触れ合い」
ー遠藤秀平「建築設計とは価値体系を検証する自由の証明である」
ー吉羽敏郎「デザイン建築設計に必要な事業思考と経営感覚」
ー松岡拓公雄「デザインマインド」
ー岡河貢「建築ファッションデザインか?建築設計か?それが問題だ。」
ー宇野求「現代の建築設計について」
ー團紀彦「デザインビルド発注方式への批判」
ー松本明「集団から個に戻るとき」
ー中村勇大「設備・構造・意匠」
ー宮本佳明「進歩と無縁な愛の術」
ー末廣香織「建築が持つ二つの側面を心に刻む」
ー曽我部昌史「空間や場の可能性と無縁でいられるか」
ー末包伸吾+岩田章吾「革新と追想という両義性のなかで」
ー河井敏明「行く途を探す」
ー槻橋修「マイクロアーキテクチャーー建築があるべき場所へ」
ー長田直之「ここ、そこ、あそこ」
ー五十嵐淳「私が設計で目指したい建築」
ー竹口健太郎+山本麻子「複製技術時代の建築設計」
ー北川啓介「建築自身が刹那的にも永続的にも能動的であること」
ー前田茂樹「『生きている』風景の一部分をつくる」
ー家成俊勝「建築の設計の間違い」
ー山崎泰寛「古さと新しさを超えた第三極へ」
ー勝矢武之「『リアル』さの在処」
ー藤村龍至「最後は投票で決めればよい」
ー白須寛規「いま建築を設計すること」
ー畝森泰行「集合知としての建築エレメント」
ー山口陽登「なるほどと思える新しさ」
ー米澤隆「浮遊する『私』と文脈になる建築」
ー増田信吾+大坪克亘「アティチュードの正しさ」
ー大西麻貴+百田有希「愛される建築を目指して」
(計31組)

第二特集
日本行脚座談001:徳島
伊月 善彦+内野 輝明+前田 茂樹+伊藤 暁+鄭 仁愉+島津 臣志+倉方 俊輔

編集長:倉方俊輔
編集委員:槻橋修、前田茂樹、西尾圭悟
デザイン:後藤哲也 | OOO Projects
ロゴタイプ:André Baldinger | Baldinger • Vu-Huu
表紙写真:大竹央祐
発行者 一般社団法人日本建築設計学会
発行日 2015.05.21
印刷 株式会社国際印刷出版研究所
定価 1,100円(本体1,000円)